製作秘話


■データハウス編集員MaD氏の寄稿(WB24の収録済み)

 『ハッカーになるための必読書103選』は、最初の依頼から約1年半もかかりました。今回の企画は、じっくりと時間をかけたいという考えはありましたが、「まさか、ここまでかかるとは!」と、著者はもちろんのこと、まとめ役のIPUSIRON氏も編集のまどさんもビビりました。

 ……とは言え、内容面で陳腐化しない情報であったため、さらにブラッシュアップすることができました。

 著者の皆さま、ご心配をおかけしましたが、ようやく搬入となりました。

 有難うございました。

 

●編集について

 『ハッカーの教科書【完全版】』では、IPUSIRON氏が編集実務を一緒におこないましたが、今回は、IPUSIRON氏が編集のほとんどをやったと言っても過言ではないほどの気合いの入り方でした。

 編集とは、一見すると派手な職業のように思われがちです。しかし、実際は内職のような地道な作業ばかりという“ルーチンワークの塊”のような職業だと言えます。

 そして、IPUSIRON氏は編集作業の中でも、もっとも過酷な作業である“赤字校正”をおこなうこととなりました。

 

●赤字校正について

 編集のおこなう赤字校正は、本来、明らかな間違いでもないかぎりは文章を直さない、というのが鉄則となっています。しかしながら、どうしても避けて通れないものに「慣例用語の統一」があります。これは、以前から口を酸っぱくして言っていることですが、たまたま、IPUSIRON氏がいるときに某元祖ハッカー雑誌で編集をされていた方が同様のことを当たり前のように言っていました。ここでIPUSIRON氏の編集魂に火がつきました。

 

●慣例用語の統一

 今回は、複数の著者であるため、慣例用語の統一などの処理が必要となります。一人で執筆していても、この問題は起きるものであるため、複数の著者となると、かなりキツい作業となります。

 

イプ「『わかる』『分かる』『分る』『判る』『解る』は、どれ?」

まど「『わかる』にして、ひらいておけば?」

イプ「『又、こうして貰えば、こう言う事になる筈』というのは、どう?」

まど「ぜーんぶ、ひらく」

イプ「イライラしてきた!」

まど「『又』を『股』とか直してみたくなるでしょ?」

イプ「あと、トイレの張り紙も気になるな」

まど「『絶対に止めて下さい』とかやろ?」

イプ「そう、そういう、おかしな漢字の使い方」

まど「つまり、相手を混乱させるのであれば、ひらがなにしてまえと」

イプ「難しい世界だなぁ」

まど「まぁ、任せるから頑張りたまへ!」

 

 そんなこんなで、レイアウト以外は、IPUSIRON氏が目から血を流して制作をしたというデータハウス始まって以来、根性の入った力作です。

 立ち読みでいいから、どうか読んでみてください。

 

●コラム:矛盾した用語の表現

 ここで某出版社さんとデータハウスのPC系を扱う編集員に共通した認識がひとつありことがわかりました。それは「サーバ」を「サーバー」として表記する点です。ネット上で見かける表現では圧倒的に「サーバ」が多いのですが、これは、英語も堪能とされている超有名な、あるハッカーの方が「『サーバ』ではなく『サーバー』と表記しろ」と、なにかの記事で発言して以来、この表現にしたというものです。

 自分としては「この方がおっしゃるのだから」と信じて、やっていたわけですが、どうやら他社さんも、まったく同じ理由からだったそうです。そこまで影響をおよぼすのですから、すごいものです。わかる人だけニヤッとしてください。  

 


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