■質問1:どういう人向けの本なのか?
本書は、次のように明確に目的を持った方、あるいは意欲的な方に向いています。
・真のプログラマーになりたい方
・ネットワークを自由自在にしてみたい方
・単なるプログラマー、エンジニアで不満足な方
・まったくの初心者だが、本気でコンピュータと仲良くなるために勉強したいと思っている方
・コンピュータが好きでたまらない方
・テクニカルエンジニア(セキュリティ)試験で他の人より数歩有利になりたい方へ
ボタン一発でアタックをしたいと思っている人には向いていません。
■質問2:なぜ103なのか?
『論理トレーニング101題』野矢 茂樹(産業図書)(*1)という名著が存在しますが、これからヒントを得ました。
100とするよりも101とすると、なぜかこの数値に惹かれてしまいます。本書でも100ではなくそういった半端な数にして興味をひこうとしたわけです。103というのは101の次の素数で、私も好きな数字なので、これを採用しました。
タイトルの独自性のおかげで、本書を『103選』と略することも可能となります。
(*1)論理学の学習というより、論理学思考を身に付けるのに向いている本。ロースクールの試験対策に読む人も多い
■質問3:103冊?
「103選」という文字列がタイトルに含まれているので、103冊と思ってしまいがちですが、そうではありません。複数著者があるので、重複して紹介している本があるのです。多くの著者たちは、自由に自分が推薦する本を紹介したら、誰かと重複してしまうかもしれないという指摘がされました。しかし、私はあえて、それでも大丈夫という指示を出しました。というのも、重複した本があったほうが読者にとっておもしろいからです。複数の著者から推薦された本はそれだけ重要な本だと判断できますし、推薦する理由がそれぞれの著者たちで異なるはずでその違いを探すのも楽しいでしょう。
よって、「103冊」ではなく「103個の推薦」と考えてください。これを勘違いしないように、目次の最後、まえがきにも何度も言及してあります。
■質問4:内容は、本の紹介のみになるのでしょうか?
見開き2ページで1冊紹介する構成になっています。
本文の中では、単に本の紹介だけでなく、読むことで新しい考え方や知識、ハッキングやプログラミングに関するアプローチを得ることができるはずです。それぞれの著者たちは考え方も違いますし、得意分野も異なります。自分の感性に合った著者たちを探し出すのも楽しいと思います。まえがきにも書いてありますが、この本は読者によって読み方が自由自在です。この本を活かすも殺すも読者自身と言えるでしょう。
さらに、著者プロフィールのところでは、それぞれの著者たちが今に至るまでの過程(どんな子供だったのか、どういった勉強をしてきたのか)、これからハッカーを目指す人へのメッセージがあります。
■質問5:良書というより思い出本が多いのでは?
その通りです。これは、そういう指示を私が出して原稿を集めたのです。今の自分に至るのにあたって、外せない本を紹介してもらいました。よって、今はよりよい本がありつつも、古典的な本が含まれています。
そうした意味で言えば、むしろ『103選』は「役に立つ本を知りたいというより、どんな本を読んできたかを知りたい」向けの本と言えるでしょう。もし真面目な本ばかりを探したいなら、『コンピュータの名著・古典100冊』のほうがよいでしょう。しかし、私はこちらの本に不満(古典は勉強にはなるが、無難であるだけで面白くない)があったので、『103選』を企画したわけですが。
■おわりに
何か他に質問があれば、質問掲示板にお願します。